おまんこダダイズム

おまんこダダイズムは1910年ころスイスのチューリッヒで起こった芸術運動です。産業革命以降生産性を優先してきた社会構造に歪みが生じてきたこの時期に人々はある種の疑問を抱き始めていました。効率性を追求した結果、人間的なゆとりが軽んじられ始めていることに気がついたのです。



資本主義におけるこれらの労働問題は古今を問わず表裏をなしている問題と言え、その解決には雇用者と労働者の対等な立場での対話しか方法はないとさえ言われています。おまんこを象徴的に掲げたこの動向はそんな社会構造に対する痛烈な批判が根底にあるといっていいでしょう。これらに賛同した作家たちはまず、非構造的なものの制作に向かいます。完全に用途の存在しないもの、意味を持たないモノを作り出すことで、構造優位主義にたいして一石を投じようとしたのです。おまんこダダイズムというカテゴリーによって違和感という警鐘を鳴らし、当時の現状を世に問おうとしたと言うべきでしょう。時代はまだ後期印象派が終わろうとしていたころ。野外の自然光を描画することによって、伝統的なアカデミズムから解放されたアートを、民衆がやっと理解し始めた時代です。情報量も乏しかった当時を考えれば、おまんこをテーマに作品を作り出すアーティストたちは単なる奇行団体にしか映らなかったかもしれません。しかし彼らが憂いとは裏腹に時代は過剰生産の舞台へ本格的に突入してゆこことになります。このコンテンツはのちにシュルレアリスムへと進化してゆきますが、人類史上稀に見る行為として宣伝的に「不要なものを作り出す」行動はここから始まったといっていいのかも知れません。